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【睡眠負債のリスクと返し方】週末の寝だめはNG?

机の上に置かれた目覚まし時計

平日に睡眠不足が続き、週末に寝だめをしているという社会人や学生の方は多いと思いますが、みなさんこれまでに一度は考えたことがありませんか。「果たして寝だめは可能なのか。」という問題について。

結論から言うと、寝だめは不可能と言われています。特に気を付けたいのは、「睡眠不足」が慢性化することにより発生する「睡眠負債」と言われるものです。

今回は、この「睡眠負債」というテーマについてお話ししたいと思います。

「睡眠負債」に要注意

さて、繰り返しになりますが、「睡眠不足」が慢性化すると「睡眠負債」というものに発展してしまいます。

「睡眠負債」とは

「睡眠負債」というのは、日々の睡眠不足が借金のように積み重なり簡単には返済できなくなってしまった状態のことを言います。

たまたま忙しい日が続き、2、3日寝不足の日が続いている程度であれば、その後にまとまった睡眠をとることで睡眠不足を解消することができます。

しかし、その状態が数週間、数か月のように長期間続くことで「睡眠不足」は「睡眠負債」に発展してしまいます。「睡眠負債」に陥ってしまうと、「睡眠不足」の時とは違い簡単に返済することはなかなか難しくなってしまいます。

寝だめは根本的解決にはならない

週末に寝だめをして睡眠不足を補填している人は注意が必要です。

残念ながら、寝だめというのはあくまで過去の睡眠不足を後から補填している程度にすぎず、事前に将来の睡眠をチャージできるような優れものではありません。そのため、貯まった負債はどんどん積みあがっていってしまうのです。

補填し続ければ問題ないのかという疑問を持たれるかもしれませんが、それもNGです。寝だめによる睡眠不足の完全補填はできないので、根本的な解決にはならないということを覚えておいてください。

睡眠負債のリスク

人は、睡眠をとることでしか回復ができません。睡眠をとらなければ人は死んでしまいます。言うまでもなく、人間が活動するうえで睡眠が非常に重要な役割を果たしていることは明白です。

慢性的な睡眠不足である睡眠負債の状態になると、いろいろなリスクがあることが明らかになっています。以下に一部を挙げてみます。

  • 肥満
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • うつ病
  • がん
  • 認知症

上記以外にも、睡眠不足は心身ともにあらゆる病のリスクを高めてしまうと言われています。

自分に適した睡眠時間

睡眠負債を回避するためにも、まずは自分に適した睡眠時間を把握してみましょう。これに関して、スタンフォード睡眠研究所が行った有名な実験があるのでご紹介します。

自分の最適睡眠時間を短く見積もっている人が多い

まず、「7.5時間睡眠が最適」と自覚している8人を集めます。そして、「好きなだけ寝ていい」と14時間ベッドに入れさせます。そうすると、初日はほとんどの人が13時間寝ました。これは、みんな無意識に「睡眠負債」がたまっていたということです。しかし、その後睡眠時間は約10時間になり、3週間後には8.2時間になり、以降睡眠時間は増えることも減ることもなく安定したというものです。

つまり、彼らにとって最適な睡眠時間は8.2時間だったのです。自覚していた7.5時間という睡眠時間では実は睡眠不足だったのです。

このように、一度陥った睡眠負債を取り戻すのには時間がかかります。自分にとっての最適な睡眠時間を把握できている人は少ないと思うので、時間が取れそうな人は一度1ヶ月程度たっぷり睡眠時間を確保して、自分にとってベストな睡眠時間を再確認してみてはいかがでしょうか。

よい睡眠をとって生活の質を高めよう

「QOL」という言葉があります。「Quality of Life」の略で、「生活の質」という意味です。QOLの観点からみても、心と体を癒すよい睡眠は、きっとあなたのQOL向上に大いに貢献してくれるはずです。

時間が惜しいという気持ちから、ついつい睡眠時間を犠牲にしてしまう気持ちもわかりますが、体を壊しては元も子もありません。自分って睡眠負債かな?と思った人は、一度自分の睡眠を見つめ直してみてはいかがでしょうか。