みなさんは、「MECE(ミーシー)」という言葉を聞いたことがありますか。
これは、経営学や経営コンサルティングなどの領域でよく使われる言葉で、ロジカルシンキング(=合理的思考)を学ぶうえで切っても切り離せない言葉として知られる思考法のひとつです。
主に、戦略思考のフレームワークとしてビジネスシーンで使われることが多いですが、ビジネスに限らずとも、物事を考える際の思考法のひとつとして知っておいて損はない考え方のひとつだと思います。
そこで今回は、MECEの概要について要点をまとめて簡潔に解説したいと思います。
MECEという言葉をはじめて聞いたという方や、聞いたことはあるけどよくわからないという方は是非参考にしてみてください。
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MECE(ミーシー)とは
MECEという言葉は、コンサルティング会社が最初に提唱した言葉だと言われています。
以下の頭文字をとってMECEと呼ばれています。
・Mutually Exclusive(相互に排他的)
・Collectively Exsaustive(包括して網羅的)
相互に排他的で、なおかつ包括して網羅的という言葉をもう少し簡単にしてみます。
相互に排他的とは、お互いが重複していない状態のこと。
つまり、「ダブりがない」状態のことです。
包括して網羅的とは、全体像として見た時にすべてが網羅されている状態のこと。
つまり、「モレがない」状態のことです。
よって、MECEとは「モレなくダブりなく」という状態を表している言葉です。
MECEはなぜ必要なのか
では、MECEという概念はなぜ必要なのでしょうか。
全体像を把握し、問題の構造を整理する
ビジネスの現場は、日々課題解決の連続です。
その際、課題解決に向けてどのようにアプローチしていくかということはとても重要です。
しかし、たいていの場合そこには多くの要素が複雑に絡み合っていて、なおかつ多くの人たちを巻き込んでいるので、問題を整理して論理的に体系づけてステップを踏んでいくことが大切になってきます。
そこで、MECEを意識することで問題点の全体像を正しく捉えるという目的があります。
思考にモレがあるまま走ってしまうと、あとからちゃぶ台返しになってしまう恐れがあるからです。
課題解決に効果的にアプローチするためには、まずは外枠である全体像を正しく定義して共有しておかなければなりません。
次に、問題の構造を要素ごとに分類し、体系的に考えられるようにするという目的があります。
ただとりとめもなく問題を分類しても、モレがあったりダブりがあったりすると効果的な分析を行うことが難しくなり、正しい答えを導きづらくなります。
MECEを意識することで、全体像を正しく定義して体系的に網羅的に物事にアプローチすることができます。
図でわかる。MECE(ミーシー)
ここで、MECEについて理解を深めるために、MECEの状態とそうでない状態を表す図を4つのパターンにわけて見てもらいたいと思います。
図にするとすごくわかりやすくなります。
パターン1:漏れありダブりあり(MECEでない状態)
パターン2:漏れありダブりなし(MECEでない状態)
パターン3:漏れなしダブりあり(MECEでない状態)
パターン4:漏れなしダブりなし(MECEな状態)
さいごに:MECEは考え方のひとつのツール
ここまで、MECEの概要について簡単に解説してきました。
MECEという考え方について少しは理解してもらえたでしょうか?
ただ、注意してもらいたいのでは、MECEはあくまでも考え方のツールのひとつにすぎず、MECEであるかどうかということに縛られる必要はありません。
されど、物事を考える際のツールのひとつとしては知っておいて損のないものであることは間違いないでしょう。
時には、今向き合っているものがMECEであるかどうかを徹底的に問い詰めることが役に立つ場面もきっとあるはずです。
特に、「木を見て森を見ず」といった全体最適を無視した部分最適というのはビジネスシーンでよく見られます。
まずは全体像に目を向け、そこから体系的にブレイクダウンしていく訓練としてMECEかどうかという問いは有用ではないでしょうか。
みなさんも、問題解決に行き詰ったら是非MECEを思い出してみてください。
ひょっとしたらそこから解決の糸口が見えるかもしれませんよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。